
淑女のおしゃれ作法
鏡はよそおいの道具として古来から身近な調度品でした。江戸時代までは金属製の鏡が一般的でしたが、明治後半にはガラス鏡の普及が始まります。また江戸時代には鏡箱などに収めておき、鏡立てに掛けて使用していたものが、鏡と台座が一体化した西洋風の鏡台が登場しました。

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歌川豊国画。口に御簾紙をくわえ、蜻蛉のついた簪に天神髷を結っている遊女は、次の客のところに移動するところでしょうか。こま絵は、寅の刻(午前3~5時)頃、不寝番が拍子木を叩いて火の用心と時を知らせる様子。遊女は寝る間もなく働いたのでしょう。

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一勇斎国芳画。高尾(浮世絵には高雄と記載)は、三浦屋四郎左衛門抱えの最高位の遊女です。高尾の名は代々継承されたといいます。座敷で天秤に乗っているのは、伊達綱宗が高尾を身請けする際、体重と同じだけの小判を支払ったという場面。千両箱も見えています。

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永嶋孟斎(歌川芳虎)画。体重と同じだけの小判を乗せたという高尾の身請けの場面ですが、全体的に赤いのは、明治の錦絵の特徴であるアニリン染料の赤色で遊郭の華やかさを表現しています。天井の照明もシャンデリアのようで、題材は江戸前期でも設定は江戸末期から明治でしょうか。