淑女のおしゃれ作法
鹿鳴館での舞踏会には、日本政府高官やその夫人たちは洋装で参加します。その洋装(ドレス)に似合うように考え出されたのが、「束髪(そくはつ)」という髪型です。束髪は、和装にも洋装にも似合い、しかも清潔、簡単で自分で結うことができる、よいことずくめとされ、次第に一般にも広がっていきました。
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雅楽のかぶりものの鳥兜と『源氏物語』の紅葉賀を題材にした櫛・笄です。金地に螺鈿で描かれた模様が豪華さを際立たせています。
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千鳥にはプラチナ、波には金が使われています。
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龍の落とし子が立体的に彫られている象牙の洋櫛です。収納されていた箱には「鹿鳴館舞踏会 洋髪用飾櫛」と書かれています。洋装に似合う夜会巻などを飾ったのかもしれません。
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アール・ヌーヴォー様式の形と模様は西洋の香りを漂わせ、新時代の息吹きを感じさせます。
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鼈甲に似せて作られた擬甲というのが大正時代に流行しました。この櫛の模様は、南天に雪が覆っているもので、よく描かれていた意匠です。
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髷の根を高く結いあげた上品な髪型として長く愛されてきました。現在でも花嫁の正装として結い続けられています。
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大正9年(1920)頃から束髪が欧風化し、鏝でウェーブをつけ、耳を隠した髪型が大流行しました。モダンで着物にも洋服にもよく似合う髪型でした。
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このまあがれいとは、日本で初めて結われた三つ編で、軽快で若々しい印象に人気が集まりました。またリボンの流行も人気に拍車をかけていました。