日本の櫛・世界の櫛
乳白色がつややかな黒髪に合うことから、日本女性に長く愛用された象牙の櫛。貴重な舶来品であるため、江戸時代、たびたび贅沢品として取り締まられたものの、その人気が衰えることはなかったといいます。象嵌や蒔絵、透かし彫りを施すなど細工もしやすく、上流階級の女性や富裕な家の女性たちに用いられました。
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櫛の中央には金蒔絵で家紋が描かれています。装飾を省いた品のよい意匠は、武家階級の女性が挿したものかもしれません。
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真っ赤な鬼灯の実に珊瑚がはめ込まれており、よく使いこまれたのか象牙の色が変化しています。消えかかっていますが「可交斎」という銘があり、これは江戸末期に印籠師として名を残した人物です。
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象牙は今も昔も貴重品。3点いずれも厚みがあり、裕福な家の女性が挿したものかもしれません。
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アール・ヌーヴォー様式の形と模様は西洋の香りを漂わせ、新時代の息吹きを感じさせます。
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第一章日本-象牙の櫛
第二章日本-鼈甲、牛爪の櫛
第三章日本-木櫛
第四章貝、金属の櫛
第五章江戸時代の櫛
第六章明治時代の櫛
第七章大正時代の櫛
第八章昭和時代の櫛
第九章束髪、洋髪の髪飾り
第十章アフリカの櫛
第十一章オセアニアの櫛
第十二章古代の櫛