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2023.04.27
頭上にアメリカ独立戦争の勝利に寄与したフリゲート艦ユノを据えるのは、
18世紀に実在したヘアスタイルです。
波のうねりを思わせるブルーのリボンに、飛沫を模したような真珠。
白い帆の先には双眼鏡を手にする水夫まで緻密に作りこまれています。
針金のフレームに沢山の入れ毛やつけ毛を足してボリュームや高さを出し、
香油や髪粉、そしてリボンなどで装飾を。
当時の資料には顔の3倍以上の高さにもなった様子が記されています。
作り上げるためには最低4~6時間はかかり
結い上げた後は1~3週間ほどもたせたようです。
このような手の込んだ巨大な髪型の隆盛は、
マリーアントワネットが王太子妃になった1770年から80年代にかけて。
お抱え結髪師のレオナール・オーティエは
事件、偉人、動物、歌劇、観光名所などをモチーフにした髪型を発案し
宮廷中の女性たちを虜にしていきました。
当時のドレスは横に大きく広がり
服飾小物商ローズ・ベルタン考案の華美な装飾が流行します。
こってりとした白粉、紅、つけぼくろなど濃厚なメークが好まれ
それに負けないほど絢爛華美な髪型で女性たちは日々競い合いました。
女性的で繊細な曲線美や、感覚的な美しさが求められたロココの時代。
いったいどれほどの情熱をファッションや髪型に傾けたのでしょうか、
当時の熱気や思いが伝わってくるようです。
結髪雛形 フリゲート艦ユノ
Photo YURI MANABE