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2020.03.12
ポーチに入れて、持ち歩くコスメといえば?
ファンデーションに口紅、アイブロウ、チーク......。
現代では当たり前になっている持ち運びができるコスメは、
今から約100年前、20世紀初頭の欧米で登場しました。
金属容器に固形パウダーとパフ、鏡が一体化した
コンパクトは、この時代に生まれたものです。
それまでは、自身の部屋でメークを完成させたら、
外出先では直さないことが当たり前だった時代。
どこでも簡単に化粧直しができるツールの登場は、画期的なことでした。
第一次世界大戦を経た欧米では、女性の社会進出が大きく進みました。
働き始めた女性のために、
あるいは自家用車に乗ってレジャーを楽しめるようになった女性のために、
持ち運びできる化粧品が誕生したのです。
このキラキラした装飾の
ハンドバッグを模したコンパクトも、その時代のもの。
外出先で化粧直しをすることが増えたため、
当時の女性たちはお気に入りの一品を持ち歩いていました。
コンパクトは女性たちの社会進出を支えた、
頼もしいパートナーでした。
バッグ型イミテーションストーン装飾コンパクト
1920~1950年代頃
Photo YURI MANABE