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2019.12.12
女性たちの肌に寄り添ってきた白粉(おしろい)。
江戸時代には白一色だった白粉は
明治時代後半になるとオークルや黄色などが発売され、
「自然色(ナチュラルカラー)」という言葉も生まれました。
また、その形態も時代とともに進化していきます。
明治時代まで粉末を水で溶いてつかう粉白粉(こなおしろい)が一般的でしたが、
大正時代になると液体やクリーム状のものなども登場しました。
化粧品の進化や時代の変化に合わせ、
パッケージも様々な形態、デザインのものが生まれました。
こちらは昭和初期の粉白粉の紙容器。
ヨーロッパの流行を取り入れた柄が描かれています。
例えば、植物の優美な曲線を取り入れたアール・ヌーヴォースタイルや、
アール・デコを彷彿とさせる幾何学模様。
この時代の西洋への憧れが、デザインにも反映されていることがわかります。
時代とともに、様々な使い心地やデザインが登場した白粉。
お気に入りの化粧品を選ぶ楽しさが伝わってくる資料です。
粉白粉、昭和初期
Photo YURI MANABE