浮世絵にみる江戸美人のよそおい
化粧をするのに不可欠な道具といえば、今も昔も鏡。浮世絵にも鏡台や鏡掛けや手鏡がたくさん描かれています。当時の鏡台は鏡面の側面に引き出しがあり、鏡をのぞき込んで化粧していた様子が想像できます。鏡は銅と錫の合金で、その背面には松竹梅や南天などのおめでたい吉祥文様が多く描かれています。
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角盥は、手洗い、髪そぎ、剃髪などに用いました。両脇の角のような取っ手は、着物の袖を濡らさないためのものと言われています。室町時代には高台が低く取手は短く、全体的に素朴な形ですが、時代が下るにつれて洗練された形へ変化していきました。
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鏡や鏡箱には吉祥文様が多く描かれました。黒漆に金蒔絵で松竹梅のおめでたい絵柄が表現されています。
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南天は「難を転じる」の意から、柄鏡に多く用いられた図柄です。この鏡には、さらに悪い夢を喰い邪気を払うとされた空想上の動物の獏も描かれています。
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菊水は中国河南省内郷県にある白河の支流を指しているようです。この川の崖上にある菊の露がしたたり落ち、これを飲んだ者はみな長生きしたという言い伝えにあやかった図案かもしれません。
第一章化粧の情景
第二章髪化粧の情景
第三章遊女のよそおい
第四章江戸女のよそおい
第五章花嫁のよそおい
第六章江戸名所百人美女
第七章化粧道具
第八章婚礼化粧道具
第九章紅化粧
第十章白粉化粧
第十一章眉化粧
第十二章髪飾り