浮世絵にみる江戸美人のよそおい
浮世絵には婚礼をテーマに描かれたものがあります。多くは上流階級を描いたものですが、花嫁の身支度や儀式の様子、道具のしつらえなど、記録写真などのない江戸時代の婚礼の様子を知ることができます。高島田に結った髪型や白無垢の打掛小袖など、現代まで続く花嫁装束のルーツとなる装いを伝えてくれます。
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一勇斎国芳画。唐草模様の乗物から上臈たちに手を引かれ、白無垢の花嫁姿で現われたのは、かなり身分の高いお姫様のようです。まわりの女中たちは花嫁の美しさに見とれているのでしょうか、うっとりとした表情に見えます。
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歌川豊国画。白無垢を着た花嫁が、花婿の隣に座ろうとしているところでしょう。御殿の中らしく、髪を片外しに結った奥女中たちが控えています。
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一勇斎国芳画。富裕な豪商などの婚礼でしょうか、高価な蒔絵の鏡台や貝桶なども描かれています。白無垢の花嫁はもちろんのこと、まわりの女性たちも豪華な衣装に身を包んでいます。
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一勇斎国芳画。白無垢から色物の小袖に着替える花嫁の周りにいるのは仲人や親類縁者でしょうか。女性にとって一番華やかで、美しく見えるであろう情景を描き出しています。
第一章化粧の情景
第二章髪化粧の情景
第三章遊女のよそおい
第四章江戸女のよそおい
第五章花嫁のよそおい
第六章江戸名所百人美女
第七章化粧道具
第八章婚礼化粧道具
第九章紅化粧
第十章白粉化粧
第十一章眉化粧
第十二章髪飾り