西洋の扇
19世紀初め、パリでピエール・デュヴェルロワ創業の扇工房は優れた扇を多数デザイン製作し、1851年、初のロンドン万国博覧会に出品。1849年ロンドン支所を開設、ヴィクトリア女王、ジョージ5世、メアリー王女などにより王室御用達認可証が付与されました。J・デュヴェルロワは扇ことばの英訳も行いました。
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有名な扇職人デュヴェルロワ作。画家A.グルーのサイン入り。ルネサンス様式の服装の男女、パラソルを持つ黒人召使、オレンジを差し出す召使。左右にはゴンドラでの水上演奏会や手袋に鷂(はいたか)を止まらせる鷲使いが描かれています。
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扇面には、「私の形は半月形」「私の色調はロイヤルブルー」などの表記があり、その回答のどれもがこの扇自身を表す「6つの問いかけ」となっています。
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ロココ様式の大きな枠飾り(カーテル)に、竪琴を持つ男性、汗を拭く男性、帽子の女性が描かれています。裏面は噴水のある風景。
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18世紀、フランス第二帝政時代のロココ趣味の流行によって、画家フランソワ・ブーシェ風の絵画が好まれました。この扇もそうした流行に添ったものと考えられます。
第一章神話を描いた扇
第二章グランドツアーの扇
第三章中国の扇
第四章デュヴェルロワの扇、マルタンの扇
第五章広告用の扇
第六章ファッション誌にみる扇の広告
第七章シーンに合わせた扇
第八章素材さまざま
第九章ファッションの変遷と扇