西洋の扇
絵柄としては、ギリシア、ローマ神話や聖書の一部を表現したものが多く、パリスの審判、ソロモンとシバの女王、キューピッドとヴィーナスなど、よく知られた題材がモチーフになっています。ヨーロッパでは、さまざまな芸術、生活の場面で神話のシーンが広く表現され、扇をはじめ女性の装身具や化粧道具、香水瓶などにも及んでいます。
×
ギリシア神話「イフィゲネイアの犠牲」の世界を扇の表裏両面に描いています。フランス、あるいはイギリスで制作されたようです。
×
ギリシア神話「パリスの審判」は、女神ヘラ、アテナ、アフロディテの誰が最も美しいかを判定したことを題材にしたもので、のちのトロイア戦争のきっかけになりました。たいへん好まれた画題であり、複数の画家による作品が残っています。
×
『旧約聖書』に登場するエピソードで、イスラエルの王、ソロモンを訪問するシバの女王の姿を描いたと考えられます。
×
ギリシア風の衣服をまとって天球儀を観察する姿から、ギリシア神話で天文をつかさどる女神ウラニアを描いたものと考えられます。
×
ピンクのヴェールをまとったヴィーナスの横で、ネプチューンがヒッポカンパス率いる車を操っています。左は海豚にのった海の女神、右はトリトン。
×
ホメロス叙事詩『イリアス』の一場面を描いたものとされています。
×
ギリシア神話に登場するアテナイ王アイゲウスと女魔法使いメディアのエピソードを描いたもの。メディアに取材した芸術作品は、古代から現代まで多くのジャンルで創られています。
第一章神話を描いた扇
第二章グランドツアーの扇
第三章中国の扇
第四章デュヴェルロワの扇、マルタンの扇
第五章広告用の扇
第六章ファッション誌にみる扇の広告
第七章シーンに合わせた扇
第八章素材さまざま
第九章ファッションの変遷と扇