化粧道具の装飾文様
桧垣文様に揚羽蝶の金蒔絵を大胆に配した意匠が潔い道具箱は男性用の化粧道具と考えられ、箱書にも「男髪道具」と墨書されています。柄鏡、剃刀、鬢水入れ、小箱などの構成で、髷(まげ)を結い、ひげや月代を剃っていた江戸時代の男性たちにとっては、このような身だしなみの道具は必需品だったのでしょう。
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「男髪道具」の箱書きがあります。桧垣模様に揚羽蝶の金蒔絵が大胆に施されており、女性の化粧道具によくみられる繊細な蒔絵とは一味違います。柄鏡と鏡箱、剃刀箱、鬢水入れ、小箱が二つ。小箱には、ハサミや毛抜き、櫛などを入れたものでしょうか。