化粧道具の装飾文様
文様には、使い手の幸せを願う愛情や深い思いがこめられていました。鏡は女性にとって婚礼化粧道具には欠かせない必需品であり、松竹梅や鶴亀など、幸せ、長寿、子宝を願う吉祥文が飾られました。また、音が「難を転ずる」に通じる南天など、意味やストーリーを絵柄に仕立てた文様も好んで使われています。
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鏡や鏡箱には吉祥文様が多く描かれました。黒漆に金蒔絵で松竹梅のおめでたい絵柄が表現されています。
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鏡背にある紐を通すつまみ部分は亀の形になっており、室町時代によく見られます。
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長い柄、中央の亀鈕や柄の付け根の「持送り」といわれる雲形など、初期の柄鏡の特徴がよく現れています。
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南天は「難を転じる」の意から、柄鏡に多く用いられた図柄です。この鏡には、さらに悪い夢を喰い邪気を払うとされた空想上の動物の獏も描かれています。
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高砂(兵庫県)は古来より播磨の重要な港で、高砂神社にある相生の松もよく知られています。また謡曲「高砂」は、祝言曲として、結婚式などの祝儀の席でよくうたわれます。
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