化粧道具の装飾文様
人間にとって、自分自身や身近な物を飾ることは歴史の中で古くから実施されてきた行為といえます。装飾することは、時に生きるためには必要のない贅沢なものと考えられることもありましたが、家具や器、衣服、身体などを、文様で彩る行為はさまざまな意味をもち、それは現代まで長く続いてきています。
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角盥は、手洗い、髪そぎ、剃髪などに用いました。両脇の角のような取っ手は、着物の袖を濡らさないためのものと言われています。室町時代には高台が低く取手は短く、全体的に素朴な形ですが、時代が下るにつれて洗練された形へ変化していきました。