男たちのこだわり
髪結床は江戸時代中期頃に登場したようで、町境や橋のたもとなどの空き地に店を出す出床と、町屋で営業する内床がありました。また、結髪道具を入れた鬢盥(びんだらい)を下げ、訪問で髪を結う者もおり、これは回り髪結と呼ばれました。都市部では毎日髪結床に通うほど、髪の手入れに気を遣う男たちもいたようです。
×
豊国画
×
江戸時代後期に使われたと考えられる髪結道具箱。
×
「男髪道具」の箱書きがあります。桧垣模様に揚羽蝶の金蒔絵が大胆に施されており、女性の化粧道具によくみられる繊細な蒔絵とは一味違います。柄鏡と鏡箱、剃刀箱、鬢水入れ、小箱が二つ。小箱には、ハサミや毛抜き、櫛などを入れたものでしょうか。