美しさへの挑戦
化粧直し用の白粉をプレスしたパレットや口紅や頬紅などをセットした鏡つきのパッケージは実用的でたいへん画期的でした。単一機能のパレット型、円筒状のリップスティックを付帯させたデザイン性の高いもの、シガレットケースを内蔵したものなどもあり、現代のコンパクトより重厚で、装飾性の高い憧れのアイテムでした。
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白粉と頬紅でしょうか、当時としては斬新な色使いの化粧品がセットされています。コンパクトには、アール・ヌーヴォー風の桐に孔雀が描かれています。
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日本情緒を感じさせる大胆な梅模様。女性の社会進出が進んだ大正時代は、外出先でも化粧直しができるようにとコンパクトが多用されるようになりました。
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三越発売。斑の入っていないいわゆる白鼈甲張りのコンパクト。中の固形白粉は既になくなっていますが、クリームのような内容物がまだ少し残っているようです。
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アメリカのメーカー、ポンピアンのコンパクト。ポンピアンは大正時代中ごろから『主婦之友』などの婦人雑誌に広告を出稿し、東京・銀座の佐々木商店などが販売していました。
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ポンピアン発売
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黄色いガラスにエナメルで花が描かれていて、ヨーロッパの雰囲気が漂います。貞明皇后は公爵九条道孝四女で名は貞子。大正天皇に嫁いだのは16歳の時でした。この容器は身近な人にお下げ渡しになったものかもしれません。
第一章化粧道具
第二章近代の化粧 明治~大正時代
第三章コンパクト
第四章近代の化粧 昭和時代
第五章鏡と鏡台の変遷
第六章江戸時代の髪型と髪飾り
第七章近代の髪型と髪飾り
第八章装う
第九章千代田の大奥