祝いのよそほい
「色の白いは七難隠す」ということわざのように、色白は江戸時代の美人の条件のひとつでした。白粉で一番普及していたのが鉛白粉。粉末の白粉を水で溶き、刷毛や指で肌に伸ばします。江戸では素肌観ある色白肌が人気で、薄く塗り重ねる技法や鼻筋だけ濃くしてハイライト効果を演出するなどさまざまテクニックがありました。
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紅屋平兵衛製。白粉は、粉末の状態で紙包みに入れて販売されていました。美人の代名詞「小野小町」を連想させるような商品名や図柄が好んで用いられました。
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重村近江大掾藤原保方製
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和泉屋製
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水で溶いた白粉はすぐにのばさないと斑になってしまうので、牡丹刷毛で手早く広げて塗布しました。鼻にスッと白粉を塗り、鼻筋を高く見せるテクニックもありました。首筋の白粉は顔よりも濃く仕上げ、顔を浮き立たせ美しくみせるよう工夫していました。
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溪斎英泉画。こま絵には宴席に関わる杯洗、鉢が見えるので若い芸者の姿でしょうか。携帯用の懐中鏡を手に化粧直しの最中かもしれません。唇は当時流行した笹色紅が。高価な紅をふんだんに使えたファッションリーダーの心意気が見えるようです。