祝いのよそほい
「赤白黒」の3色で表現される江戸時代の化粧で、唯一彩りを与えるのが紅化粧です。ベニバナの花弁からわずかに抽出される赤い「紅」は、紅猪口と呼ばれる小型の杯や紅板に塗られて販売されました。濃く塗るとメタリックグリーンに光る「笹色紅」が江戸後期に流行。浮世絵にもその緑色に塗られた唇を見ることができます。
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外箱は竹で網代に編んであり、衣服などを入れる葛篭 (つづら) の形をしています。中の紅板は2箱あり、縁起のよい宝尽くしの絵が描かれています。
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近藤太陽堂製。紅花から作った紅は、猪口や皿の内側に塗った状態で販売されていました。ぬらした筆や指などで唇にのせます。紅猪口に蓋はなく、使わない時には伏せて置くことで紅の退色を防いでいました。
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京都紅平製
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京都紅平製
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一陽斎豊国画。肩に前垂れを掛けて、紅猪口を持った洗い髪の女性は遊女でしょうか。こま絵には紅花、小野小町とその歌が描かれているので、手にした紅猪口は文化頃に売り出された「小町紅」かもしれません。