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2020.04.23
結髪がはじまった江戸時代、第3回でご紹介したように、兵庫髷(ひょうごまげ)、島田髷(しまだまげ)、勝山髷(かつやままげ)、笄髷(こうがいまげ)という基本となる4つの髪型が生まれました。今回はそのひとつ、兵庫髷を詳しくご紹介します。
《時代かがみ 延宝の頃》 楊洲周延 明治29~30年(1896~1897)(国文学研究資料館撮影)
この髪型は髷(まげ)をつくる髪型の原型ともされる唐輪髷(からわまげ)から発展。その特徴は、後頭部に高く輪を作った髷と、その根元にぐるり髪を巻きつけるところ。突き出た髷以外の部分、前髪や鬢(びん)、髱(たぼ)はおとなしくて、いたってすっきりシンプルです。
初期は遊女が結った兵庫髷も、しだいに一般女性も結うようになりますが、やがて下火に。しかし、髷を横に倒して結った横兵庫(よこひょうご)に進化して再登場!
輪にした髷を扇や蝶の羽根のような形にするなど、粋で華やかな遊女の髪型として様々にバージョンアップしていきました。京都、島原で結われた横兵庫は、最も豪華な日本髪といわれています。誰よりも目立つ髪型に!遊女たちの競争心が髪型をさらに進化させていきました。
京・島原の横兵庫 文化・文政
※このコンテンツは2015 年から2018 年にポーラ文化研究所Web サイトにて連載していた「やさしい日本髪の歴史」を2019 年から2023 年まで一部改訂再掲載したものです。