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2022.10.13
社会環境の変化から新しい化粧品が次々に登場した大正時代。それでは髪型にはどのような変化があったのでしょうか。
江戸時代から続く「島田髷」などの伝統的な日本髪と、明治時代に登場した「廂髪(ひさしがみ)」などの束髪といった新旧の髪型が共存するなか、大正時代初期に舞台女優らが廂髪の前髪に入れていた補助毛を取り去った束髪「女優髷」を結い始めます。髪結いの手を借りずに自分で結えるという利点がある、頭の形に沿った小型の髪型でした。
しかしこの髪型よりも人気があったのは、やはり日本髪と大振りな束髪。大きな流行の変化が起きないなか、大正中期に西洋から画期的な技術がもたらされます。それは熱したコテで髪を波打たせる現代でもおなじみの「ウェーブ」の技術!フランス人のマルセル・グラトーが19世紀後半に考案したもので、世界的に流行していました 。
ウェーブヘアは日本でも「欧風結髪」「洋髪」と呼ばれて広がっていきます。なかでも髪にウェーブをつけて顔の両サイドに流し、耳を覆って毛先を後頭部にまとめる髪型「耳隠し」が人気を集めました。
次回も引き続き、大正時代の髪型についてご紹介します。
クレームレートポスター 平尾賛平商店 大正時代