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2020.05.28
17~18世紀の濃い白粉メークの流行を経て、かよわく見せるナチュラルメークが流行した19世紀。化粧やファッションの流行と連動し、新しいヘアスタイルが登場していきます。
18世紀末は豪華絢爛なドレスに合わせ、バランスを取るように髪型が巨大化するという局地的な流行が生まれました。
フランス革命という大きな社会変革を経た19世紀前半にも、ドレスに合わせた流行が登場します。古代ギリシアを理想とした新古典主義に流行したことでハイウエストの直線的シルエットのシュミーズ・ドレスが主流となり、それに合わせて髪型も古代ギリシア風の小ぶりなものとなりました。
やがてスカートの裾が再び広がり、ウエストの位置も自然な位置に戻りコルセットが復活します。19世紀半ばになると、釣り鐘型のスカートや広がった袖口が特徴的なロマンチック・スタイルが流行。複雑なドレスに合わせ、髪型も技巧的になっていきます。
頭上で高い髷を結うア・ラ・ジラフスタイルは、1827年にキリンがエジプトからフランスに贈られ、一大キリンブームが起きたことがきっかけで人気を集めました。
続いて、低い位置で髷を結い、巻毛を顔の両側に垂らし、ボンネットをかぶるスタイルが流行。こちらのファッション・プレートのように、髪飾りとドレスの飾りを合わせる華やかなコーディネートが登場します。
次回はこの時代に続いて、19世紀後半の髪型をご紹介します。お楽しみに!
『ル・ボン・トン』
1840年代のロマンチック・ドレス。