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明治後期、新たなよそおいと洋風アイテム

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明治後期、新たなよそおいと洋風アイテム

2022.04.14

文明開化の波に乗り、洋装化が上流階級の一部に広がり始めた明治時代初期。やがて明治時代後期になると、一般の人々のよそおいにも少しずつ変化が訪れます。

明治30年頃、欧米の服装改良運動に刺激されて制服の改良が行われ、服装の洋風化が制服から一般に広まり始めます。しかし明治後期になってすぐに洋服を着始めたのではなく、従来の和装にショールや革靴といった洋装小物を合わせたほか、髪飾りとして幅の広いリボンをつけることが大流行するなど、和洋折衷のよそおいを楽しむ人も増えていきました。この時期に流行したよそおいのひとつが、女学生の制服である袴にブーツをあわせるスタイルです。

欧米の文化が少しずつ入ってきたことで、「椅子に座り、机に向かう」といった江戸時代とは異なる立ち居振る舞いをする場面が出てきました。活動的な衣服が求められたことから袴の利便性が注目され、制服としての着用が始まります。明治38年には新聞小説に登場する女学生のよそおいが「束髪に大きなリボン姿、袂の長い着物に袴、編み上げ靴」として挿絵に描かれ、大反響!この和洋折衷の袴姿が女学生のスタイルとして定着し、明治末期になると女学生の袴姿での通学は都市部においてごく一般的な風景となりました。

さて、次回からは大正時代のよそおいをご紹介します。お楽しみに!

《女學校すごろく》 巖谷小波 岡野榮 榊原蕉園 博文館 明治時代《女學校すごろく》 巖谷小波 岡野榮 榊原蕉園 博文館 明治時代

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