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化粧文化 COSMETIC CULTURE
お化粧ヒストリー

明治時代の新たなスキンケア

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明治時代の新たなスキンケア

2022.02.10

江戸時代が幕を閉じ、近代化への一歩を踏み出した明治時代。この時代の女性たちはどのような化粧品を使ってスキンケアを行っていたのでしょうか。

江戸時代のスキンケアアイテムをおさらいすると(第2~3回をぜひご覧ください!)、洗顔は糠(ぬか)や洗粉 (あらいこ、豆の粉をベースにした洗浄料)を用い、化粧水は市販のものを使用するほか、ヘチマやノイバラといった植物から手作りすることもありました。明治時代になると、開国によって化粧品も欧米化していきます。

まず欧米の影響を受けたのが洗浄料と香料です。衛生意識が高まるなか、石鹸の輸入が積極的に行われました。日本でもコレラが大流行したことを受けて、明治10年代に国産の石鹸産業が盛んになります。

香りの分野では、明治20年代に「麝香(ジャコウ)」、ムスクの香りが一世を風靡しました。アルコールを含む西洋式の香水が、清涼感とともに消毒の役割を期待されて流通するなか、麝香は日本になかった新しい香りとして人気を集めます。その人気は香水に留まらず、石鹸や白粉にまで麝香の香りがつけられるようになりました。

江戸時代から続くスキンケアの必須アイテム、化粧水も国産の新商品が次々に登場。そして欧米から輸入され明治時代に受け入れられた化粧品がクリームです。高価な輸入品が上市されるなか、日本の化粧品会社も国産クリームの開発に着手し、明治40年代初頭には複数の会社から発売されました。明治という新しい時代に、クリームは新たな定番アイテムとなったのです。

近代化、西洋化の波が少しずつ化粧品にも影響し始め、新たな商品が次々と登場した時代。次回は明治時代後期のよそおいの変化についてお話します。お楽しみに!

《真美人 十 湯上り》 楊洲周延 明治30年(1897) (国文学研究資料館撮影)《真美人 十 湯上り》 楊洲周延 明治30年(1897) (国文学研究資料館撮影)

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