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化粧文化 COSMETIC CULTURE
日本の化粧文化史

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縄文人のよそおい 旧石器時代~縄文時代

2020.03.26

日本列島に、今の私たちに顔や身体つきが近い人々が暮らしていたといわれるのは、今から3~4万年前、旧石器時代の終わりのころのことと考えられています。
当時、人々がどんな暮らしをしていたのかは、はっきりとはわかっていません。おそらく、大型の動物を狩り、食料や身に着けるものとする生活をしていたようです。

その後、今からおよそ1万3000年前から約1万年続いた時代が縄文時代といわれています。
人々は狩猟、採集、漁労をして暮らし、石器も発達、縄目模様などが特徴的な土器が作られた時代です。では、さまざまな道具を使う生活をしていた縄文人のファッションはというと、土偶に見られる衣装などから想像されています。布の中央に穴をあけてすっぽりとかぶる貫頭衣と呼ばれる上衣に、ズボン状の下衣を植物の繊維を編んだ布や動物の毛皮でつくり、寒暖、季節によって使いわけていたと考えられます。

では、縄文時代の人々は化粧を行っていたのでしょうか。
当時の地層から漆塗の櫛が出土しています。櫛は髪を梳かしたり、飾りとしても使ったと考えられますが、「化粧=よそおうこと」と広く捉えると、この時代にはすでに化粧をしていたことになります。さらに、土偶や土面などの出土品には、顔面に線刻があるもの、赤く彩られたものもあります。また装身具として、貝を加工して作った腕輪や首飾り、耳飾りなどもつけていました。これらは、縄文人の美意識からという側面もあったと思いますが、厳しい自然を相手に暮らす人々にとって一種のまじない、病気や災いなどから身を守る意味も強かったと考えられています。
次回は弥生時代から古墳時代のよそおいをご紹介します。

※このコンテンツは2014年から2019年にポーラ文化研究所Webサイトにて連載していた「新・日本のやさしい化粧文化史」を一部改訂再掲載したものです。

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